2007 USA, Khalad Hosseini
女性の生きる環境の過酷さ。
母と娘の物語。
MariamとLaila
二人の語り手によって進んでいく。
Kite Runnerに魅せられてこの本を読み始めたけれど、
迫ってくるものが少なかった。
環境にいないとわからないのか。
母性本能が足りないのか。
読んですぐは、ありきたりな結末だと感じたけれど、
随所随所、印象的な場面がある。
アルカイダの怖さが、
平和を知らない青年たちを生み出す環境から描かれていたことが印象的。
リーダーになりたい、という願望を持つことは怖いと思ってしまう平和ぼけ。
何をコントロールすべきなのかという理解がないままの支配。
理不尽な女性差別。
同じ人間の、更には母なる存在の扱い。
どうしてこんなことができるのか。
女性が働くことができなければ、飢え死にする家庭。
些細な違いで差別が簡単にできる人間の性というものを
真剣に認識すべきだと感じた。
肉体的な他人の痛みを感じない人がいるということが
不思議でならない。
幸せ、というのは人によってちがう。
ただ、それも与えられた環境によって変わってしまう。
悲しいことだと思った。