Monday, June 8, 2009

Vengo


(2000)
By: Tony Gatlif
With: Antonio Canales, Orestes Villasan Rodriguez

素晴らしい。
歌、踊り、アンダルシアの乾いた空気。
閉鎖的な地方の世界が、そこに生きる人々が生き生きと描かれている。

Vengo = Vengar 復讐する
しがらみの中で生きているのはどこの世界でも同じだと思う。
その中で交錯する愛情と憎しみ、喜びと悲しみ。
ふっとした瞬間に大切な人に見せる、カコの笑顔。

Galif監督作品の中でも、Transylvaniaと張るくらい好き。
監督の、友人と住み慣れた土地で撮影されたこの作品。
ひしひしと監督の愛情が伝わってくる。
フラメンコ、ヒターノ、アンダルシアの生活。
観ていて、心が締め付けられるほど愛しくなる映画。

Naci en Alamo
Arrinconamela

Wednesday, June 3, 2009

Jamon Jamon

(1992)
Directed by Bigas Luna.
With Stefania Sandrelli, Anna Galiena, Juan Diego.

この空気は大好き。
色と街なみが特別美しくはないけど、スペイン中部らしくて懐かしい。

話の展開が、これはないでしょうって思うけれど、共感できなさ過ぎてある意味すっきり。
ハモンで殴り殺してしまうなんて、唖然。
   
オウムがよくわからないけどエロスだった。
マッチョで頭の悪い男たちと、それを簡単に信じてしまう若い女。
なんだかすごく複雑で単純ね。
   
Bigas Lunaの作品は、いつも、愚かな主人公と、美しい背景と、どろどろしたエロス。
この監督は、男女の愛とか、信じてないのかも、と思ってしまう。

Klimt


(2006)
Directed by Raoul Ruiz.
With John Malkovich, Veronica Ferres, Stephen Dillane.

期待はずれ。すごく楽しみにしてたのに。
確かに、装飾は美しかったけれど、古めかしい感じがなく、セット感丸出しで薄っぺらい。
クリムトのねっとりした世界観がなかったのがすごく残念。
もっと濃い空気を期待してたから、その明るさと演技が私は気に食わなかった。
    
妖艶さも、物足りない。
    
ただ、夜の雪のシーンと金が舞うシーンは美しかった。
照明を落としたジャポニズムな部屋も素敵だった。
こんな美しい時代を生きた、画家の人生。
     
絵としては、綺麗だけれども、もっと、と思ってしまうのは、
クリムトへの憧れがあまりにも強いから。

隠し砦の三悪人


(1958)
監督;黒澤明
三船敏郎 志村喬 上原美佐 藤田進
  
気持ちのいいラスト。
観た後にすっきりとした後味の娯楽作品。
「裏切り御免。」と叫ぶ田所兵衛がいい。

三船の豪快さと、生き生きとした魅力が溢れた作品。
凛とした雪姫も美しい。
貪欲でどうしようもないけれども、憎めない二人の百姓。
    
この時代に生きている人をよく表しているのかな。
ちゃんばらシーンはどきどきして好きではないけど、侍美学、素敵だなぁ。

Tuesday, June 2, 2009

Affectionate


愛情。
自分が思っていることは、相手にも伝わる。
それで、関係がうまくいったり、ぎすぎすしたりする。
なかなかできないけど、常に100%の愛情で、人に接したい。
言葉ではなくて、伝わっていくから。と、反省した一日。

それにしても、私はsweetsを買ってきてくれる人に弱い。
自分がいないところで、自分のことを考えて何かをしてくれたっていうのがうれしいんだと思う。
たーっぷり愛情をかけてくれたら、私も十分にお返しするのに、と思うのは甘くて、
大好きな人たちには、自分からたーーーーっぷりと愛情をかけましょう。

これから、まだまだたくさんの人たちに会う。
そのことに、どきどきわくわくしている反面、とても不安を感じたりする。
いま、周りにいる人たちが素敵すぎて、大好きすぎて、こんな人にもっと会えるのかな?
でも、先のことばかり考えて、周りの人を大切にしないのはもったいない。ね。

3/June/2009 After OKADA

La Puta y La Ballena


(2004) Argentina
Directed by Luis Puenzo.
With Leonardo Sbaraglia, Aitana Sánchez-Gijón, Pep Munné.

哀愁漂うバンドネオンの音と、官能的なアルゼンチンタンゴ。
哀しみを湛えた、美しい映像に監督の美学が込められている。
現在と過去が交錯し、一つの世界になっている映画の中。

女性の強さと、哀しさ。
強い”女”になろうと思った。
”女”としての強く生きることは、男性とはきっと違うから。
したたかに、たくましく、美しく生きるこの映画の女性たちは美しい。
    
アルゼンチンの自然の映像が美しくて、未知なる世界への旅に憧れた。
       
打ち上げられて、どこへも行けない鯨が、それでも誇り高くその場に存在することが、
自由がなくても、誇り高く生きている女性を連想させた。
どんな制限があったとしても、自分の運命は自分で決める。

Karamazovi


(2008) Czech
Directed by Petr Zelenka.
With Martin Mysicka.
       
EUフィルムデーズ2009
カラマーゾフ兄弟HP
           
ポーランドの鉄工所を舞台にしたオルタナティブ・フェスティバル(演劇祭)。
観客の生活の場に芸術を組み込むことで、身近に感じてもらおうというプロジェクトは、
教養ある企画者が考えそうなこと。
しかし、あくまで生活の場であるその場所では何が起こるか分からない。
そして、その場所で起こったことは、全てが現実。
         
なぜ、子どもがその場にいたのかはわからないけれども、
「こんな企画さえはじめなければ。」という台詞からも、何か関わりがあったんだろう。
         
芸術を広く市民に、と上が言ったところで、その効果は実際に試してみるまで分からない。
子どもを亡くした父親は、日常に突然入り込んできた演劇を、真摯に受け止めた。
もしかすると、これが、彼の初めて観る演劇だったのかもしれない。
現実と、芝居の差があいまいになる空間。
         
暗い鉄工所の中、吊るされた鉤と、飛び散る火花が地獄を連想させる。
その中でも、ステンドグラスから入るほのかな光。
緑溢れる庭が現実世界に引き戻してくれるけれど、境はあくまであいまいなまま。
         
工場のガレージが開いて、影絵のように役者が並ぶシーンが印象的だった。
悲しみを背負った黒髪の女の人が、賛美歌で劇を終えるのは、それでも消えない希望なのかな。