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Wednesday, August 21, 2013

船を編む (2013)


観た後の感想は、原作を読んでみたい、ということ。
時間的な制限のある映画化にあたって、
取り入れられなかったエピソードが多かったように感じる。
特に、マジメさん側の恋ではなく、
二人の間で恋愛が育っていく過程の展開が唐突だったな、と。

主人公であるマジメさんの心の内は、見る人に任せているところに好感。
分からない所が残っている方が、観た後の印象が良くなるのは個人的な好みだとは思うけれど、その様なスペースを残した撮り方であった、ということ。

登場人物がみな魅力的で、心温まる。
社会には、色々な人がいて、でも一生懸命良かれと思うことをやっている。
最適な居場所が見つかるっていうのは、かけがえのないことだ、というメッセージかな。

Wednesday, August 3, 2011

Tokyo!


(2008)
なんじゃこりゃ、といいながら楽しんだ。

Sunday, April 3, 2011

父ありき


小津安二郎 監督
笠智衆、佐野周二、津田晴彦

小津は何故、自らの戦争体験は描かず、
生涯得ることのなかった家族の図を探求したのか。

その体験がなかったからこそ、この完璧な父親が造られたのだろうか。
正しく、慎ましく、愛情に溢れた、理想の昭和の父親像。
対する、これまた従順で、誠実で、父親想いの理想の息子。

坊主頭に象徴される戦争の影。
手塩にかけて育てた息子が戦争にとられてしまうという知らせにも
いつもの様に淡々と、でも愛情を込めて応える父親。
時代だなぁと思ってみたり。

お互いのことを想うからこそ一緒に暮らすこともできない家族がいる。
例えば、それが簡単に叶う家族だってたくさんいるわけで。
「父さんと一緒に過ごした十日間が人生で一番仕合わせだった」と呟く息子。
「私は仕合わせなだった」と語る父親。

一緒にいたからこそ得られた仕合わせと、
一緒にいなかったからこそ叶った成功、両方がある。
現代の日本社会は、得られるものだけに囚われすぎてきた。
この価値観をもっと主張できる世の中でもいいと思う。

http://book.asahi.com/review/TKY201104050139.html

Tuesday, October 19, 2010

蟹工船

(1929) 小林多喜二
プロレタリア文学との分類

マンガ版が出て話題になって、小説から読んだ後に斜め読みしたマンガ。
改めて実感したのが、語りの力ってすごい。
確かに視覚的にしか想起させられないインパクトや効果は存在する。
しかし、人間の想像力に勝るものはないのではないだろうか。

この小説は悲惨な話を、容赦なく悲惨に描いている。
そこから造り上げたイメージというのは暗くて救い様のない悲惨なものだった。
しかし、漫画の描写も悲惨さを描いているけれど、
私は目のキラキラしたヒーローが出てきてどうしても違和感を覚えた。
漫画化されることで、大間かなメッセージは伝われどインパクトが足りない。
そんな印象だった。

人間の想像力と、それを喚起する文章の力。
蟹工船という、人間の権利も尊厳も存在しない場所で働かされる労働者。
人というものは「他人」にどこまでも残酷になれるのだ。

階級闘争。
搾取される集団が本当なら当然の扱いを受けるために
どれほどの困難に立ち向かわなければならないのか。
大義のために働く、という考え方はどこまで通用するのか。

この話は、実際に起こった様々な事件の報道内容に基づいているという。
日本社会、全ての国の発展は、このような現実の上に成り立っている。
ストライキをする権利、声をあげる権利がどれほど大切で、また難しいのか。

黄いろのトマト

(1989) 宮沢賢治

黄金がトマトよりも素晴らしいなんて言ったのはだれだろう?
カナリアが語るお話。

人間失格

(1948) 太宰治

一人称で語られる主人公に読み手が強く共感し、
個人的体験と重ね合わせて読める言われているけれど、あまりその印象はなかった。
むしろ主人公の未来が早く知りたくて読み進めた。

個人的体験に結びつけて物語を理解する、というのは頻繁に起こること。
主人公に発達障害があるのでは、と感じたのは最近読んだ記事の影響のせい。

幼児期の虐待経験と捉える点について、
私は、異常なまでの繊細な心を表裏のある下男下女の行動によって
裏切られるということが最低の虐待だと理解したけれど、
性的虐待という捉え方もある様。

内縁の妻の悲劇は純粋さだけで起こったものではない。
主人公の語り口から、信じようとしても信じきれない思いが見え隠れする。
唯一の明るかった登場人物からの裏切り。

罪と罰。
罰は、罪が存在しなくてもやってくる。

精神病院に入れられる瞬間。
柵の中から外を呆然と眺める主人公の姿を想像した。
そして、南米の精神病等の写真を見た記憶が蘇った。

そこで終わりかねないこの話。
彼が裕福な家の生まれだということが、
最後の、不幸でも幸せでもない状態を生み出した。

この主人公、プライドの高さの余り自分を道化に見せたのではないか。
自分は全く他人のことが分からない、と言いつつ、
それは自分を守る殻だったのではないだろうか。
裕福な家に恵まれて生まれたために、その道を外れることを恐れ、
自分を特別だと言い聞かせ、
精神病院に収容されたことでその重圧を逃れて、
不幸でも幸せでもない状態を受け入れることができるようになった。

Thursday, October 14, 2010

蜘蛛巣城

(1957), Akira Kurosawa

マクベスの異文化間翻訳

最初に観たときは終始気味の悪い映画だと思っていたけれど、
マクベスを観、その比較がおもしろかった。

動く蜘蛛手の森。
蜘蛛手の森が動かぬ限り戦に負けることはないとの予言が与える力。
人の傲慢と知恵。

三船の剛毅さに惚れ惚れする。
その表情ががらりと変わるラストシーン。
その変化にも息をのんだ。



Derusu Uzala

(1975)

ロシアでの撮影。
黒澤作品の異文化への翻訳?
一様に黒澤作品と言っても少し趣向がちがう。
けれど、美への追求のストイックさはいつも通りだと私は思った。

カラーであるという点が唯一、もったいない。
鮮やかな色合いの映像に慣れた眼で観ると、色あせたという印象。

しかし、構図など様々なシーンに完璧主義が垣間見える。
息をのむような映像もちゃんとある。
?なシーンもいくつかあったけれど。
白黒で撮影されたものを観たかったなと思ってしまう。

カラーでなければ表現できない美はないのではないかと思う。
弾けるような色鮮やかな自然を一度でも見たことがある人間ならば、
白黒の黒澤作品から、その美しさを何倍も観ることができるのではないか。

月と太陽が同時に映るシーンが制作者のロマンティシズムを反映している。
少女マンガばりのロマンティストなんじゃないかな。
凍った湖と集めたすすき(?)で作られた家
手早く描かれたその家のスケッチが不思議な美しさだった。

せめて良かれと思って渡した最新式の銃が仇となる。
ただ、彼の視力に異常が現れた時からデルスの運命は決まっていた。
街の四角い箱の中に住むことはできないけれど、
山に戻って、厳しい自然の中で生き残ることのできる可能性もない。

虎を撃ったデルスの落ち込み様。
彼の心の平安を保っているものは、自然への信仰。
山の神が、山に彼の居場所がなくなったのだと伝えに来たのだというデルス。
なんて厳しい世界なんだろう。

近代化への疑問を投げかけ、自然の中で暮らすことや昔ながらの価値観に対する憧れが強い。
と同時に、その生活に伴う厳しさと残酷さを無視することはできない。
しかし、最後にデルスの命を奪ったのは、自然でも、彼の信仰する神でもなく、
街に住む人間であったという事実が全編を通して描かれる理想主義を現実に引き戻している。
また、こんなに賢明なデルスの家族はpoxによって死に絶えている。

銃を撃っては行けない。
テントを立てて住んでもいけない。
と言われたときのデルスの表情。

壊れない男の友情は観ていて美しい。
キャピタンの命を何度も救ったデルス。
彼にとっては当然のことで、自分がとの気負いもない。
He can care about the people even he has never met before.
and the poople who he will never meet in the future.
そんな生き方と価値観に憧れているんだ。
最初の二人の別れのシーン

キャピタンの家に到着したデルスは、
現代にある自分の生活を捨てて、離れて住んでいる息子と暮らし始めた老親に見える。
子どもとの交流を楽しむ以外にできることもない。
それまでの生き生きとした様子から、すっかり老け込んだデルス。

価値観の明らかな違い。
いつも風にさらされ、不安定な布で守られる厳しい自然の中の空間に対して
頑丈な壁に囲まれて暖炉のちろちろとした火を前に座り込むデルス。
この生活を捨てて、テントに戻りたいのか。

それはそうと私は、
すっかり映画の主張する価値観に引き込まれ、
デルスが大好きになりました。
いつもながら、中年〜老年男性が主人公の物語に弱い。

http://www.wochikochi.jp/topstory/2011/01/kurosawa.php

Friday, October 8, 2010

東京物語

(1953) Japan, 小津安二郎

畳に座った人の目線に合わせて撮ったというこの作品。
心が締め付けられる。
年老いた両親を見る子どもの目。
50年以上も前から、人は同じことで悩んでいる。



こころ

(1914) Japan, 夏目漱石

クィアとジェンダーの視点から。
主人公は先生に恋をしているのではないか。
それが、日常生活を離れた場面で目立つ。

こころと平仮名で書かれたいうタイトルから、
静けさとやわらかさを感じてしまう。
境地にあるものの静寂。


仮面の告白

(1949) Japan, 三島由紀夫

告白とは本来、心の中に思っていること隠していることを打ち明けること。
しかし、仮面の告白は、その告白する私が仮面をかぶっている。
巧妙に作り上げられた「私」の姿。
どんな告白も、必ず誰かが造り上げたものである。

同性愛 死への憧れ 兵役逃れ 現実からの逃避





ミーナの行進

2006 Japan, 小川祥子

朋子とミーナ、二人の少女の物語。
子どもの見る世界はおもしろい。
限られた範囲の中で生きている故に育つ想像力。

カバを飼い、マッチ箱を集めるミーナ。
真新しい制服を仕立ててもらう朋子。
なだらかな壁に囲まれた家に住む、ある家族の世界。

ボックス!

(2010)
Directed by 李闘士男. Starring 市原隼人, 高良健吾, 香椎由宇

日本の映画というのは、「青春 努力 汗 涙」が好きだ。
子どもの頃の約束とか、純粋すぎる故にグレるヒーローとか、
努力家の美少年とか、若くして死ぬヒロインとか・・・
お腹いっぱい。




Wednesday, October 6, 2010

博士の愛した数式


2004 Japan, Shoko Ogawa

博士の記憶は80分。
博士と「私」とルート。
繊細で優しい物語。

映画の題名を聞いて読んだ本。
小川祥子、好きだなぁ。

冷静と情熱のあいだ 赤

1999 Japan, Kaori Ekuni

大好きな一冊。
人には、場所があり、そして物語がある。

美しい場所に住むこと。
その美しさを見いだすこと。
その美しさを言葉にすることができる江國香織。

街の中に咲き誇る季節の花々。
歴史の詰まった石畳のアーチ。
色鮮やかなスーパーマーケット。
宝石と共に描かれるイタリア人たちの生活。

不思議な色を放つ世界にすっと入り込める。
葵のファッションの描写も楽しい。

人生に彩りを与えてくれる本。



Wednesday, June 3, 2009

隠し砦の三悪人


(1958)
監督;黒澤明
三船敏郎 志村喬 上原美佐 藤田進
  
気持ちのいいラスト。
観た後にすっきりとした後味の娯楽作品。
「裏切り御免。」と叫ぶ田所兵衛がいい。

三船の豪快さと、生き生きとした魅力が溢れた作品。
凛とした雪姫も美しい。
貪欲でどうしようもないけれども、憎めない二人の百姓。
    
この時代に生きている人をよく表しているのかな。
ちゃんばらシーンはどきどきして好きではないけど、侍美学、素敵だなぁ。

Monday, May 11, 2009


(1990)
監督;黒澤明
  
こんな夢を見た・・・と始まる8つのエピソード
「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」
黒澤監督の、白黒の美しさが私は好きだけれど、
カラーになって、現代の映画を見慣れている目には古臭いという印象が残った。
もちろん映像美に圧倒されるところもあるのだけれど。
日米合作。
   
「日照り雨」の迫力と、狐の嫁入りの表現は、不気味さと美しさが際立っている。
「桃畑」も映像が美しかった。
「雪あらし」はよくわからない。
「トンネル」は、戦争の無意味さやそれに対する怒り。
吠える犬は、戦争に対する憎しみを表しているのか。
「鴉」は、ゴッホ。これもよくわからなかった。
「赤富士」は、当時の世界の現状を、そして今日も変わらない人間の愚かさを表している。
人間は、絶対に安全な世界には住めないのだろうかと考えた。
「鬼哭」は、環境破壊と階級社会。化け物たんぽぽと、人間の鬼。
「水車のある村」は、他のエピソードとはがらりと雰囲気が変わって、この監督が憧れていた世界がわかる。
黒澤監督、好きだなぁ。

Friday, May 1, 2009

羅生門


(1950)
黒澤明監督
三船敏郎, 三船敏郎, 京マチ子, 森雅之, 志村喬, 千秋実, 上田吉二郎, 加東大介

美しい白黒映画。
白と黒の葉っぱが揺れていたのが印象的。
 
死んでも、自分を殺した人間をかばうことになっても守りたい自分の体面。
人の心の暴かれたくない部分。


人の感じることはこんなにも違っていたり。

7人の侍

(1954)
黒澤明監督
        
白黒なのに、あのねっとりとした質感。
美しい映像。
黒澤作品の中でも、美しさが圧倒だと思う。この映画。
自然と田舎が、白黒であそこまで美しいなんて。
 
一人一人の侍のキャラが濃くて、
それなのに全員を最大限に見せている。
どしゃぶりの雨の戦い。
穏やかな田植えの風景。
小さな花が咲き乱れる丘。
素晴らしい。
最高の娯楽作品。

生きる


(1952)
黒澤明監督
この映画は、共感するというか、同調するというか、自分の中にすって入ってきた。
      
日本の風俗の描写も、
日本文化のいやなところも、
でも、人間のいいところも、
いいバランスでまとめられてると思う。
「私は人を憎んではいられない。そんな暇はないんだよ」