Tuesday, June 16, 2009
Hiroshima Mon Amour
(1959)
Directed by Alain Resnais.
With Emmanuelle Riva, Eiji Okada, Stella Dassas.
いくら探してもないと思ったら、邦題が「24時間の情事」
このタイトルなら惹かれなかったかも。
まず、原タイトルの音が好き。
"Hiroshima Mon Amour"
初めて、これを音として耳にしたときから、ずっと頭のどこかに残っていたこの響き。
この映画が伝えたかったことを、私がちゃんと理解したかどうかはわからないけれど、
人を好きになるなんて、こんな些細なきっかけなのかもしれない。
生まれた国がちがっても、
人種がちがっても、
育ってきた文化がちがっても、
そこに、目の前にいるんだから、
好きになったって不自然じゃない。
でも、好きって、それだけではなくて、
いろんな要素が覆いかぶさってきて、
根本の衝動的な感情だけではどうにもならなくなる。
でもそれも、好きのひとつ。
忘却。
彼女がヒロシマでみつけたものは、 衝動に限りなく近いもの。
まっ白い服で夜の街へ飛び出すシーンが好き。
ゆったりとした時間が流れる白黒の世界。
ぞくっとするほど、質感が生々しくて、 目を背けたくなるようなヒロシマと、
平和に見えるヌベールでの、彼女の心の苦しみが対比されていて、
彼女一人分の苦しみなんだけど、 どうにかなってしまいそうなくらい重くて、
過去に何万人分こんな苦しみがあって、
いまも何万人分あるんだろう。
簡単に、自分はかわいそうだなんて言ってはいけないと思った。