Monday, June 8, 2009

EXILES


(2004)
Directed by Tony Gatlif.
With Romain Duris, Lubna Azabal, Zouhir Gacem.
整いすぎた構図が少し居心地が悪い気がしたけど、
色鮮やかで異国情緒あふれる絵と力強い音楽に誘われた。
   
主人公のふたりの、自由だけれど、どうにもならない、行き場のない気持ちが溢れていて、
うまく言葉にならない、その感情に共感した。
      
旅行中に、窓から全く知らない景色を眺めながら、
でも音楽で世界を遮断して、自分の世界に浸る瞬間が恋しい。
     
印象に残ったシーンがたくさんあって、
バイオリンと壁と埋める音
サッカー場でめちゃくちゃに踊るナイマ
海辺で奔放に戯れるふたり
廃墟で祈る兄弟
ガラスの瓶と靴音がリズムを奏でる砂浜
赤茶けた世界とみずみずしいオレンジの対比
花に囲まれたお墓とヘッドフォン
              
スーフィズムの世界は見ててぐったりしたけれど、
いつ何が起こるか分からなくて目が離せなかった。
     
美しい映像で混沌として厳しい現実が表現されてた。
ヨーロッパに向かう群衆と、逆流してアルジェに向かうふたり。
現実とか、日常ってなんなんだろうね。
夢を見て求めてその末に行きつくとこ。