Directed by Luis Mandoki.
With Carlos Padilla, Leonor Varela, Gustavo Muñoz
生きる権利。
全ての人間は幸福に生きるために生まれてくる。
それを強く意識させられた映画。
1980年から12年間もの間続くことになるエルサルバドルでの内戦。
12歳になると徴兵される少年たち。
この話が実話であることが重い。
中南米の映画に出てくる教会と学校。
実際に自分の真実を貫いた聖職者はどれくらいいたのだろう。
それでも、こういう人がいたと思うと胸が熱くなる。
禁止された歌を聴きながら歩くChava
子どもをかばうために自ら盾となる神父。
何を守るために戦争を始めたのか。
何かを守るために、誰かの大切な人を傷つける。
そんな状況に置かれて、麻痺する感覚。
同じ環境にいた子どもが、
無邪気に笑い合っていた仲間だったはずなのに、
武器で人を脅すことを覚える。
本当は何のために戦っているかすらわからないのに、
必死に銃を撃つ。
そうしなければ自分が生き残れないから。
非人間的に見える兵士たちが、
ヘルメットをとった瞬間に見せる人間の顔。
選んだわけではない。
Gringo
アメリカ兵に与えられたガム。
おいしかったガムが、
一瞬にして味を失う。
銃弾が飛び交う中、
生命の危機にさらされた環境で、
静かに歌うtechos de carton
大切な人を想う気持ちがひしひしと伝わる。
Farabundo Martí National Liberation Front (FMLN)
反抗と犠牲
兵士は、指導者は、何を求めているのだろう。
何を求めて非人間的になるのだろう。
罪のない人々が敵に見え、
敵を全て消滅させようという心理にたどり着くには、
どのような経緯があるのだろう。
75000人が殺されたエルサルバドルの内戦は終わったけれど、
世界には300万人の少年兵がいるという事実を訴え続ける。