Tuesday, August 2, 2011

chez l'Ami Jean (paris, 7e)

予約がとれないと話題になったことのあるバスク料理レストランchez l'Ami Jean
コストパフォーマンスが素晴らしいとの評判を聞き、さっそく電話。
夜は満席だけどお昼ならテーブルがあるとのこと。
夏のバカンスで閉まる前に、と向かったのが7月最後の土曜日。

話題のレストランが多い7区の小道。
見かけはどうにも古びた、前を通るだけだと素通りしてしまいそうな外装。
でも、バーに置いてある百科事典の様に分厚い予約帳にびっしりと並ぶ手書きの名前。
期待できそう。

内装はもっと「バスク」を想像していたけれど、意外にキッチュ。
プロレスのマスクや、壁にはストリートアート調の落書き。
テーブルが所狭しと並べられ、長テーブルでは隣の人と肘がぶつかりそう。

バカンス前の最終日のため、前菜二皿・メイン・デザートのメニュー(42euro)のみ。
ランチにしては思っていたより大きな出費だな。

ワインリストにバスクワインが少ないのもさみしい。
バスクってワインの国じゃないのかしら。
バスクバスクと騒いでいた私は、ハーフボトルのバスクワイン(20euro)の赤。
開けてすぐは薄めに感じたワインだけれど、時間が経つにつれて良いバランスに。

一皿目の前菜はオマール海老のポタージュ。
そんな高級食材、スープで頂いてしまっていいのかしら。
きれいな色合いのベーコン・グリンピース・バターたっぷりのクルトンに、
その場で注ぎ入れられるたまご色のスープ。
食感はさらさらで、しっかり海老の風味があってとっても美味。

二皿目の前菜はトマトスープに浮いた炙りサーモン。
サーモンの切り身の分厚さに仰天。
薬味のようなハーブが添えられていて、これがないと少し脂っこいかも。
お魚は表面を軽く炙って、中身はぷりぷりの完璧な火入れ。
上に載ったベーコンは繊細すぎてかつお節のよう・・・
様々な食材が織りなすハーモニー、なんて言ってしまいたくなるスープ。
でも、前菜にはがっつりすぎますよ、フランス人。

前菜が二品終わったところですでに、そろそろデザートに・・・というお腹。

でも、メインはその後。
自分で鱈のメインをオーダーした上、牛の頬肉の煮込みもちょこっとお味見。
前菜の時点でサーモンのぷりぷり具合に驚いていたけれど、さすがのメイン。
鱈が、火が入っているのにぷりぷり具合で勝ってしまう。
全く焼いたことを感じさせない、素晴らしい食感。
下に敷いてあるキャラメリゼしたタマネギはしっかり低温で料理されていて、
上に載せられたじゃがいもチップスも揚げたてかりかり。素材の味が生きてる。

頬肉の方は、ほろほろで柔らかくて、ジューシー。
意外にしつこくなくて、見た目よりは軽い食感。
味もしっかりついているけれど、べたっとしないおいしさ。
こういうのをビストロというのね・・・

お腹はもうはち切れそう、な所に現れたのは、三品デザート。
幸い二品は小さなカップに入った苺チョコレートのムースとミルク系のヨーグルト。

しかし、その横に巨大カフェオレボールに入ったRiz au Lait(お米ミルク)。
私はスペイン系のスパイスが効いたお米のデザートは苦手なんだった・・・
と思いつつ一口。おいしい!
ミルクの優しい甘味と全く主張のない程よい堅さと大きさのお米。

さらに、ナッツ+ドライフルーツと塩キャラメルソースが添えられている。
私、そういえばナッツのようにパリパリしたものを混ぜたデザートもあんまり・・・
少しだけ味見をしてみたら、なんと、もう感動もののおいしさ。
パリパリ、さくさくの軽いキャラメリゼされたナッツが優しいミルクに合い、
おまけに、ちょっと苦みのあるソースによって味が全然変わるこのデザート。
本当に、ひとときの幸せに浸りました。

全体的には少し脂っこくて、食べるには覚悟がいるけれど、
普段は30euro位でもう少し少ないメニューがあるみたい。
ただ、美食の国フランス。実は外食がけっこう高くつく。
このお値段でこのお料理なら、きっとまた来るなぁ。
ビストロの基準を覆してくれたレストランでした。

そして、噂通り、厨房からはシェフが怒鳴り散らす声が聞こえていました。
これだけおいしいものを提供するのって、大変なのね。

27 Rue Malar75007 Paris,
France
01 47 05 86 89

Tue-Sat 12pm-12am