Tuesday, May 26, 2009

Persepolis


(2007)
Directed by Vincent Paronnaud, Marjane Satrapi.

イラン革命を経験した、ある女性の一生。
テロや政治だけではない、ある一国で普通に生きている女性。
アニメだからこそ、全く異なる環境をすんなりと受け入れて、感情移入することができた。

フランス語も平易で、流れもゆっくりなので、フランス語の授業にいいかも。
影絵のような、白黒の絵が、エキゾチックで美しい。
絵本を読んでいるような映画。

オーストリアで"Je suis Française"という彼女がかなしくて、でもその気持ち少しだけ、わかる。
自分が属するものであり、自分では選べないもの。

女性の抑圧と、西欧化への反発。
理不尽。
もう、いったい何なのかしら。

Monday, May 18, 2009

Maria Llena Eres de Gracia

(2004) Colombia
Directed by Joshua Marston.
With Catalina Sandino Moreno, Virgina Ariza, Yenny Paola Vega.
主演;カタリーナ・サンディノ・モレノ
パリジュテームでも印象が強かった。
あどけなさが残る顔と、暗くて意志の強い瞳をもったマリア18歳。
ふっと見上げた青空がきれいで、無性に何かをしたくなることがある。
     
普通の日常の裏にある、淡々と続くもうひとつの世界。
すごく暴力的なシーンが映るわけではないけど、それが生々しくて痛い。
    
流れ落ちる汗と息が詰まりそうな空間。
どこにも行けない。
何も変わらない。
   
選択肢を与えられるってものすごく幸運なこと。
彼女は自分で人生を掴み取った。
でも、できずに一生を終える人は世界にどれだけいるんだろう。
これが日常。
私の知らない世界の一面。
対比、メッセージが直球で伝わる。
大好きな映画のひとつ。

Meduzot

(2007) Israel
Directed by Shira Geffen, Etgar Keret.
With Sarah Adler, Nikol Leidman, Gera Sandler.
    
イスラエルで撮られた、全編ヘブライ語の映画。
新鮮。
ヨーロッパの地方都市のような背景から流れてくる耳慣れない言葉。
虹色に塗られたホテルがシュール。
 
バティア
結婚式場で、ピカピカ光るティアラをかぶって働く。
恋人と別れたその直後に、きれいな格好で笑顔を振りまく。
結婚式って不思議な場所。
温かい感情だけであってほしいけど、それだけじゃない。
  
海から現れた、浮き輪の女の子。
浮き輪を取ろうとしたときの表情と金切り声。
両親から十分に愛情を受けてきていないと感じたから?
青白い部屋の中、水に
母親のポスターの前に立ち尽くす雨のシーン。
   
マイケルとケノン
新婚のハネムーンがカリブから市内のホテルに。
開発のために建てられたらしいホテルは、海に面しているのに海が見えない。
すれちがいはささいなことから起こるから。
  
出演している女優、全員が本当に美しかったけど、
特に、謎の女性が美しかった。
ゆったりとした体のラインがすごく美しい。
    
ジョイとマルカ
フィリピン人のジョイの表情と演技。
少しずつ育つ思いやり。
ことばはとても重要だけど、相手を想う気持ちは、もっと大切。
     
不可解で美しい映画。

inshight


あのキャンパスには宝物がいっぱいある。
  
初夏のばか山で二つのことば。
「感情なき理性はなく、理性なき感情はない」
「自分ひとりのことはともかく、他人が関わること将来は計画しても、たいていその通りにならないからね。悩んでも仕方がない。
その時に最善だと思われることをしたら?」
  
しょっちゅう動きまわって、その先々で様々なものを吸収して、分け合ってくれる大切な友達。
自分の興味の分野を充実させたい。
みんな、それぞれ、すごくいいものを持ってる。
大切に、大切にしようっと。
      
2009/May/18

Monday, May 11, 2009

Cafe Liberte


原宿の喧噪から一歩入った通りにある南米料理屋さん。
料理は、普通においしい、くらいでちょっと物足りない。

雰囲気は最高。
コストパフォーマンスは最悪。
場所代かしら?
お酒を少し、という時にはいいと思う。

淡い電気の色と夜風を感じながら飲むMojito。
素敵。

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6-16-23
THCビル3F
Cafe Liberte

La Maison du Chocolat


幸せを感じるもの。
La Maison du ChocolatのTarte au Chocolat
Parisのホストファミリーのところで。
   
8, Boulevard Madeleine, Paris
+33 1 47 42 86 52
La Maison du Chocolat


(1990)
監督;黒澤明
  
こんな夢を見た・・・と始まる8つのエピソード
「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」
黒澤監督の、白黒の美しさが私は好きだけれど、
カラーになって、現代の映画を見慣れている目には古臭いという印象が残った。
もちろん映像美に圧倒されるところもあるのだけれど。
日米合作。
   
「日照り雨」の迫力と、狐の嫁入りの表現は、不気味さと美しさが際立っている。
「桃畑」も映像が美しかった。
「雪あらし」はよくわからない。
「トンネル」は、戦争の無意味さやそれに対する怒り。
吠える犬は、戦争に対する憎しみを表しているのか。
「鴉」は、ゴッホ。これもよくわからなかった。
「赤富士」は、当時の世界の現状を、そして今日も変わらない人間の愚かさを表している。
人間は、絶対に安全な世界には住めないのだろうかと考えた。
「鬼哭」は、環境破壊と階級社会。化け物たんぽぽと、人間の鬼。
「水車のある村」は、他のエピソードとはがらりと雰囲気が変わって、この監督が憧れていた世界がわかる。
黒澤監督、好きだなぁ。

Sunday, May 10, 2009

How to live like French people in Tokyo


中央線を見下ろすベランダ。
段ボールの箱とカラフルな布。
おいしいワインと大き目のワイングラス
チーズ、生ハム、オリーブ。
ちょっと贅沢な手料理。
  
ああ、大好き。
  
2009/May/10th 母の日

Tuesday, May 5, 2009

Carnages


(2002)
Directed by Delphine Gleize.
With Chiara Mastroianni, Ángela Molina
  
日常と隠された苦悩?
   
間違いなく私の好きな系統の映画。
あんまり期待せずに見始めたけれど、
始まってすぐ姿勢を正した。
   
鮮やかな色と艶。
毎シーンが意味深な絵になる。
言葉が少なくて、音楽と絵で見せる。
  
闘牛には反対だけど。
でもこの映画が好きなのは牛が解体されていくシーンを淡々とアートにしているところ。
   
死を暗示するものがうさぎと鳩。
ひとつだけとれた濃いネイルとピンクのコート。
どうしたらいいかわからず宙ぶらりんの赤ちゃん。
女の子の光る角。つの毒。
  
翻訳の日本語が、つの毒とか訳し方が好きなところもいっぱいあったけれど、
本文とずれたところがいくつかあって気になった。
それもねらったのかな。
  
グロテスクなシーンも含め、 その鮮やかな色と奇抜な組み合わせ。
どのシーンも飾っておきたいぐらいきれいだった。

Rois et Reine



(2004)
Directed by Arnaud Desplechin.
With Emmanuelle Devos, Mathieu Amalric, Catherine Deneuve.

きらいではなかったけど、?だらけ。
闇の中から語りかける父親の姿。
4人の男を愛して、そのうちのふたりを死なせた。

まだこの感覚を理解するには早いのかもしれない。
一生わからないかもしれないけどね。

ことばが詩的で、日本語訳も素敵だった。
世界の切り取り方が、共感できるところもできないところもあったけどすきかな。

Bonjour Tristesse


「悲しみよ こんにちは」
Françoise Sagan
河野万里子 訳

もうすぐ、サガンの一生を描いた映画が出ると聞いて興味をもった。
きれいで、残酷。

さらさらこぼれる砂
きらきら太陽を受けて輝く海
滴り落ちるオレンジ
夜にきらめく銀のドレス

一人の女の子の繊細な内面が、
全てさらけ出されていて、
その考えの方向に惹きこまれた。



Friday, May 1, 2009

Sacre Coeur


ここで一緒にお酒飲んだな、と。
強くならないと生きていけない。
いわれのない中傷には、
負けるもんかと思うけど、
簡単ではないね。
2008 March, Paris, Sacre Coeur

Taipei

ちっとも観光せずに、ひたすら食べて飲んだ3日間。
楽しかったー!

2009 March, Taipei

Volver


(2006)
Directed by Pedro Almodóvar.
With Penélope Cruz, Carmen Maura, Lola Dueñas.
スペインメロドラマ。
アンダルシアの白い家が美しい。
歌も映像もストーリーも、楽しませてくれる作品で、
アルモドバル作品の中では一番好き。
女ばかりの人間模様が、スペイン。
お葬式のシーンでの男女の対比が印象的。

羅生門


(1950)
黒澤明監督
三船敏郎, 三船敏郎, 京マチ子, 森雅之, 志村喬, 千秋実, 上田吉二郎, 加東大介

美しい白黒映画。
白と黒の葉っぱが揺れていたのが印象的。
 
死んでも、自分を殺した人間をかばうことになっても守りたい自分の体面。
人の心の暴かれたくない部分。


人の感じることはこんなにも違っていたり。

7人の侍

(1954)
黒澤明監督
        
白黒なのに、あのねっとりとした質感。
美しい映像。
黒澤作品の中でも、美しさが圧倒だと思う。この映画。
自然と田舎が、白黒であそこまで美しいなんて。
 
一人一人の侍のキャラが濃くて、
それなのに全員を最大限に見せている。
どしゃぶりの雨の戦い。
穏やかな田植えの風景。
小さな花が咲き乱れる丘。
素晴らしい。
最高の娯楽作品。

生きる


(1952)
黒澤明監督
この映画は、共感するというか、同調するというか、自分の中にすって入ってきた。
      
日本の風俗の描写も、
日本文化のいやなところも、
でも、人間のいいところも、
いいバランスでまとめられてると思う。
「私は人を憎んではいられない。そんな暇はないんだよ」
 

Ashes and Snow







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グレゴリーコルベールのashes and snow
お台場のノマディック美術館
152個のコンテナを組み合わせた移動美術館
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中に入ると高い天井と薄暗い照明
木と石で埋め尽くされた床
低くながれる音楽
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微かな風にゆらめく写真に
心をぎゅっとされた
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生き物の「形」の美しさ
完璧な美しさからあふれる慈しみ
つながるために伸ばされた手
人間を含めて自然の美しさが存分に表現されていた