Wednesday, August 21, 2013

感情の波



映画を観よう。
本を読もう。

経験によって味覚が発達するように。
好みは経験によって育っていく。

変化を楽しめるように。
小さな波を見逃さないように。

自分の人生を楽しむために。
表現豊かな人間になるために。

Le Passé (2013)


監督:Asghar Farhadi
主演俳優:Bérénice Bejo Ali Mosaffa Tahar Rahim

一つ一つ謎が解けていく、ミステリー感覚。
話の展開が上手い監督だな、と。
言葉少なくとも伝わるものが多い。

いくつもの線が絡まり合って、出来上がっている人間関係。
少しの綻びが、重大な結末につながる。

抑えている想い。
目に見える行動。

鬱というどうしようもない状態。
本人にとっても、周りにとっても。

AMOUR (2013)


なんとも、言えない感覚が残る映画だった。
相手を思いやる優しさと、自尊心と、苦しみ。

他所で生活をしている子どもたちは結局、
この空間の外におり、理解者であっても共有者ではない。
濃密な空間、濃密な時間。

二人で、
ここまで相手のことを思いやれるのか、
これは思いやりなのか、

「年老いる」方向にしか向かっていけない、
人間の生とは何か、という問いが残った。


船を編む (2013)


観た後の感想は、原作を読んでみたい、ということ。
時間的な制限のある映画化にあたって、
取り入れられなかったエピソードが多かったように感じる。
特に、マジメさん側の恋ではなく、
二人の間で恋愛が育っていく過程の展開が唐突だったな、と。

主人公であるマジメさんの心の内は、見る人に任せているところに好感。
分からない所が残っている方が、観た後の印象が良くなるのは個人的な好みだとは思うけれど、その様なスペースを残した撮り方であった、ということ。

登場人物がみな魅力的で、心温まる。
社会には、色々な人がいて、でも一生懸命良かれと思うことをやっている。
最適な居場所が見つかるっていうのは、かけがえのないことだ、というメッセージかな。